SEED STOCKでオペルクリカリア・パキプスの種子を購入し、実生に挑戦しました。
播種~播種後1.5か月までの成長記録です。
これからパキプスの実生にトライしようと思っている方、育成方法や育成スピードのご参考になれば。
オペルクリカリア・パキプスとは?
SEEDSTOCKさんの種子販売ページによると、
成長した株の特徴:成熟した株は高さ1mまで成長し、大木にはなりませんが、幹がどっしりとした樽形状に太ることで、確かな存在感を放ちます。その特徴的な形状は成長すると巨木のミニチュアのように見え、とても迫力があります。
とのこと。パキプスは塊根植物の王様と呼ばれるだけあって、非常に魅力にあふれる風貌をしています。しかしながら、成体はとても価格が高くてなかなか手がだせません。そこで、成体よりも安くチャレンジできる実生にトライすることにしました。
以下はオペルクリカリア・パキプスの基礎情報です。
- 分類
ウルシ科オペルクリカリア属 - 学名
Operculicarya Pachypus(オペルクリカリア・パキプス) - 原産地
マダカスカル南西部
オペルクリカリア・パキプスの原産地は、マダカスカル南西部のようです。
センナ・メリディオナリスもマダカスカル南西部だったので、同じ地域かもしれませんね。
Google Mapで大体の位置をみるとここら辺だとおもいます。

トゥリアラという都市が南西部で大き目の都市でしたので、代表気象条件として温度、降水データを@Weather Sparkさんで調べました。

トゥリアラは、冬でも最低16℃程度、夏は最高でも32℃程度で、降雨は5-9月に集中していてあとは乾燥していそうですね。
東京で最低気温が16℃以上の期間は、5月中旬~10月中旬なので、この期間は屋外管理でもいけそうですね。
成長型は夏型ですね。
播種(2025/2/1)
SEED STOCKさんで10粒購入したところ、おまけに2粒ついていたので、合計12粒が同封されていました。
なお、SEED STOCKさんは浸水試験をして合格したもの(水に浮かべて沈んだもの)のみを販売しているので、他社よりも若干高めですが、成功率は高いかなと思い選択しました。
播種の方法は以下の通りです。
- 前処理
①ジベレリン100ppm溶液に6時間含侵。
②蓋開け
③メネデール+オーソサイド溶液に30分含侵 - 用土
100円ショップで購入した蓋つきのプラカップにキッチンペーパーを敷き、前処理で使用したメネデール+オーソサイド溶液で湿らせ、その上に種を置いて蓋をして管理。
発芽後、腰水にした用土の上に移動。 - 光
LEDを12hr照射。照度は、5,000~10,000ルクス。
双葉がしっかりと展開した後、20,000~30,000ルクスで管理。 - 温度
室温は20~25℃の部屋の中で35℃でコントロールしたヒートマットの上にプラカップを置いた。 - 湿度
プラカップの蓋をしたままだったので、相対湿度は100%。

前処理の蓋開けについて補足しておきます。
パキプスの種は固い外殻に覆われているのですが、根が出てくるが蓋のようにパカッと開くようになっています。その蓋を人為的に開けておくことで発芽率、発芽スピードを高める方法です。
蓋の位置がわかりづらい場合は、紙やすりで削るとわかりやすくなりました。
また、カッターを差し込む部分を重点的に紙やすりでこすって強度を落としておくと刃が入りやすい気がしました。紙やすりは150#を使いました。殻が硬いので思いっきりこすっても大丈夫でした。

播種から2日後、2つ発芽!!(2025/2/3)
播種から2日後に2粒から発根確認しました!!!
種皮からぴょーんと白い根がでてきています。
初めての蓋開け、うまくいったか不安だったのでよかった・・・。
この子たちは用土を敷いたプレステラ90に昇進です(移動です)。

播種から5日後、もう1粒!(2025/2/6)
播種から5日後にもう1粒来ました!(*´Д`)
残りはぐじゅってしていたり、黒かったりするので、ダメそうです。
今回は発芽率は3/12、25%でした。低いかもしれませんが個人的には3株も残って大満足です。
先に発根した子たちですが、双葉を展開し始めており、順調です!
しかしながら、殻が取れずに持ち上がっている・・・とるべきかそうっとしておくか・・・。


播種から2週間(2025/2/14)
播種から2週間経ちました。
先に発芽した2粒は、本葉が展開し始めています。思っていたより成長早いな・・・。
ちなみに、種の殻は手でとりました。右側の株はきれいに取れたのですが、左側の株は双葉の端っこが種から抜けず、ちぎれてしまいました。それでもなんとか本葉を出してきてくれたので安心しました。
ちぎれた時の絶望感はすごかったですが、何とかなってよかった。
最後に発芽した子も殻を持ち上げています。
パキプスはみんなこんな感じなの?またちぎったら嫌なので、とりあえずこのまま様子を見よう・・・。

播種から3週間(2025/2/22)
播種から3週間たちました。
みんな元気です。手前右側が最後に発芽した子ですが、結局我慢しきれず最後は種の殻は手で取りました。
しかし、長く見守っていたら双葉の片方は自分で抜くことができて、もう片方がどうしても取れない感じだったので、手伝ってやった感じです。殻は無事にすっと取れました。
少なくとも双葉の片方が抜けるまで、親心は抑えて見守ってやった方がいいのかもしれません。

播種から1ヶ月(2025/3/2)
1ヶ月経過しました。
みんなとても元気で、次々と葉を展開しています。
だんだんとパキプス特有のギザギザに枝を展開していく雰囲気が垣間見えてきました。
一方で葉が密集してお互いがよけあって枝が曲がって展開し始めました。
もうちょっと、もうちょっと暖かくなったら鉢上げしよう。
鉢上げを見据えて、腰水はここで卒業しました。
表土が乾いたら下から水が出るまで水を上げる管理に切り替えました。

播種から約1.5ヶ月、鉢上げ決行!(2025/3/20)
播種から約1.5ヶ月、葉っぱが完全にお互いを避けて光を求めてくねくねしていたので、鉢上げしました!
枝がジグザグになってきていい感じです。
さらに、小指サイズのちっこいサイズですが、パワータンクも確認!!いやー、うれしい。
ここからのさらなる成長に期待して、それぞれプレステラ90深鉢に植えました。
播種1.5ヶ月で単独プレステラ90深鉢は我が家ではVIP待遇です。飛び級です。
仕方ないね、王様だもんね。


まとめ
- オペルクリカリア・パキプスの種子をSEEDSTOCKさんで購入し、実生に挑戦しました。
- カッターと紙やすりを駆使して、蓋開けを行いました。発芽率は25%!まぁこんなもんでしょう。
- 双葉に種皮がついてきてしまったときは、手で無理やり取らず、じっと見守ってみましょう。うちの子は発芽後1~2週間ほど待てば片方だけは自分で脱げました。片方取れてしまえば、残りは手でも取りやすかったです。
- パキプスの幼苗は成長が早く、播種後1.5ヶ月で鉢上げが必要になってしまいました。
植え替え回数は少ないほど良いと思うので、スペースに余裕があれば発芽後すぐに単独の鉢に植えた方がよいと感じました、サイズはプレステラ90深鉢くらいが妥当かと。
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